ラノベストリート「第二回マンガ原作大賞」結果発表~大賞なし・優秀賞1作品

ラノベ投稿サイト「ラノベストリート」で募集していた「第二回マンガ原作大賞」の結果を発表いたします。たくさんのご応募ありがとうございました。

マンガ原作大賞は、ラノベ投稿サイト「ラノベストリート」から、次にヒットするネクストブレイク作品を発掘する目的で開催されたコンテストで、募集期間は2022年4月1日~2022年12月31日まで。応募いただいた165作品のなかから、優秀賞が1作品・読者賞が1作品、決定いたしました。
また、受賞作ならびに惜しくも受賞を逃した最終選考の3作品について、ラノべストリート編集部からのコメントを記載しております。今後の創作活動の一助となれば幸いです。

■ 大賞

なし


■ 優秀賞(1作品)

うちの美少女AIが世界征服するんだって、誰か止めてくれぇ
著者:月城 友麻

 ◎編集部からのコメント
  • AIスピーカー同士が話し合って進化していく序盤が非常に面白い。ところどころでディティールの良さが感じられる。リアルとアンリアルのバランスが良い。小説としても魅力的だが、漫画としての見せ方がベストと感じたため優秀賞に選出した。とりわけ、中盤の大展開を念頭に置いた前半の見せ方がすばらしい。
    しかし、前半で読者を脱落させないためにも移動アクション以外になにか引き込みがほしい。また、後半の異世界シーンについては世界観がちらかった感があるため、ある程度の統一が望ましい。後半のシナリオはやや冗長でありスケールある設定を生かしきれていない。SF特有の宿命的切なさや謎の提示などを含めつつ、改善したいところ。
    筆力のある作者だと感じるので、この作品がどう進化していくのか、今からとても楽しみである。
  • 「働きたくないから世界を征服してしまおう」という発想が面白い。主人公のキャラクターの独自性、キャラクターの魅力をより引き出すための場面やセリフなどがあるとより良いと感じる。
  • 勢いと迫力のある場面が続き、スケールの大きさが感じられた。AIというテーマが最後まで脱線することなく描かれていた。


■ 読者賞(1作品)

時空超越ストライカーズ!~A Football Tale in Great Britain~
著者:雪銀海仁

 ◎編集部からのコメント
  • 風景描写に妙があり、文化も細かく調べられている。第三章で、タイムスリップの仕掛け人が投げかける謎の見せ方がすばらしい。序盤はゴール条件を確定的に提示し、それを裏切る展開にすると面白い。スポーツシーンは丁寧かつ忠実だが、必殺技やトンデモライバルなどエンタメ感がもっとほしい。また、瑛士と遥香の関係性を強める事件を増やせばさらに良くなると感じた。
  • 描写が丁寧でタイムスリップ後の世界を楽しみながら読み進めることができた。漫画を意識するならキャラクターに強烈な個性を持たせてもいいと思います。
  • サッカーの描写がわかりやすく、ルールに詳しくなくとも映像を思い浮かべることができた。主人公がサッカーから離れたきっかけや理由を明確な出来事として用意しておき、クライマックスで同じ状況下に置かれたときに異なる行動をとる=成長=現代に戻れる鍵とすると、より終盤が盛り上がるように思う。


■ 最終選考(3作品)

頂きのないフングス
著者:十五夜しらす

 ◎編集部からのコメント
  • 非常に安定感のある筆致で、シーン展開にもムラがない。ヒロインであるヴィヴィのボーイッシュなキャラクターは終始一貫しており、安心した読書を楽しめる。緊迫感のあるバトルシーンも良い。高いレベルで安定しているが、見せ場となるシーンにもうワンパンチほしかった印象。巨大きのこの設定はもっと生かすことができるように感じられる。
  • 壮大な世界観で最後まで描きっている。キャラを書き分けられているとより良い。
  • 世界観がおもしろく、巨大きのことファンタジーの掛け合わせがよかった。文章力も高く、ファンタジックな雰囲気がうまく描写されていて引き込まれた。

縁と恋は結ぶもの
著者:十五夜しらす

 ◎編集部からのコメント
  • 地の文、せりふともに勢いがあり機知に富んでいる。なによりシナリオが大変面白く、恋愛ゲームを楽しんでいる感覚で引きこまれた。特に終盤、ヒロインが順番に登場するシーンは見せ方として秀逸である。一方、エピローグで冬薫が回復した理由をより鮮明に提示してほしかった。全般的に推敲を行い、物語に幅をもたせれば化けるように感じる。
  • キャラの掛け合いが面白い。シチュエーションを明確に描くことで読み手にイメージを与えられるとより良い。
  • フラれっぱなしの主人公×謎のヒロインの構図がおもしろく、合間に入る百合妄想がいいスパイスに感じられた。
  • ヒロインの謎に引き込まれた。周りの女の子も可愛い。主人公が告白し続ける動機付けをもっと分かりやすく描けていると尚、読者が共感しやすいと感じた。

首なし少女は氷の騎士と手をつなぐ
著者:采火

 ◎編集部からのコメント
  • ヒロインの涼夏の心情表現が巧みで、異世界に迷い込んだ臨場感が強く伝わってきた。時折見える叙情的な描写が良い。氷の頭、という設定が面白くつい想像した。シナリオが一本調子なので、ある種読者を裏切るような転換点や謎が必要。涼夏とエヴラールのみが心で会話できる、というのはもっと生かしたいガジェットであると感じる。
  • ヒロインが首なしという点にインパクトがあり、主人公の混乱ぶりがしっかり描かれていてよかった。一方で、「首なし少女」という設定が活かしきれていないように感じるので、「首なし」をより上手く使えるとより良い。
  • 騎士と少女の関係性にトキメキました。サスペンス要素がもうひと越えあると良いスパイスになると思う。
※選考途中で作品が削除されたため作品へのリンクはありません


優秀賞受賞作品はコミカライズに向けて、担当編集者がつきます。今後とも「ラノベストリート」をどうぞよろしくお願いいたします。